東洋医学(Oriental Medicine)という言葉を用いているのは、日本やアメリカぐらいで、他の多くの国々は伝統医学という言葉を用いています。
WHO(世界保健機構)でも伝統医学、特に鍼の重要性を重視しています。
鍼は中国伝統医学の重要な要素の1つであり、2500年前から利用され始め、20年程前より世界中に広まったとしています。つまり、日本で唯一の明治鍼灸大学が設立され論文が多数出されるようになってから(今年で大学の卒業生が輩出されてから20年目)という事になります。
伝統医学といっても多くの国々は薬草治療が主流です。
薬草はその国々で違いますから、世界に共通性を求める事が難しく、私は鍼(灸)治療こそが、伝統医学の主流となるべきだと思っています。
針一本あれば、いつでもどこでも治療できるからです。
針治療がどのような国々で、どのような制度のもとに行われているかは「日本から世界へ」のコーナーで、詳しくご紹介致しますが、主に行われている国は、日本、中国、韓国、アメリカです。しかし、現状では、この4つの国でも西洋医学が医療の中心にあることは間違いなく、鍼灸治療や薬草治療が医療の中心になる状況ではありません。
では、東洋医学が置かれておいる現状をお話してみたいと思います。 次のグラフをご覧下さい。
図1は、20年前の医療従事者の認識です。
20年前は、病名がついた人には、東洋医学はあまり効果
がないと考えられていました。
そのため、医療としては考えづらく、むしろ病名診断される前に対応できる治療=予防医学的要素が強いと考えられていました。
最近は、病名診断された人に対する研究が進み
図2の様な割合になってきていると私は思っています。
また、ある特定の病体については、全く逆転するケースも少なくありません。
多くの病名がつけられた人に、東洋医学の治療の方が効果
を上げられる事がわかっています。
しかし、この事は、ごく一部の研究者達にしか伝わっていない情報です。
WHOでは、平成12年9月11日〜13日に伝統医学を保健医療の中に取り入れる宣言を採択しましたが、そういった反背には、過去20年間の東洋医学への多くの研究者達の取り組みと発展が評価されたものと私は受け止めています。
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