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「遺伝子検査」年2万3000件
                  2000.7.29(土)朝日新聞より引用

 人の遺伝子を調べることで、がんなどの病気や高血圧などになる可能性を遺伝的要因から予測する「遺伝子検査」が昨年1年間で国内で2万件以上実施されていたころが28日、国内の主な臨床検査会社でつくる日本衛生検査所協会の調査でわかった。国内の遺伝子検査の件数が明らかになったのは初めて。大手の検査会社の担当者は、「遺伝子検査が確実に増えているのは間違いない」と言っている。同協会と厚生省はすでに一般 の認識以上に多くの検査が実施されている実態を踏まえ、今年秋にも個人の遺伝子情報の保護などを盛り込んだ倫理指針をつくる方針だが、今後、遺伝子検査に対する法整備が課題になりそうだ。

 調査は、5月、同協会に加盟する臨床検査会社452社から回答があった。同協会によると、病気や体質の遺伝的要因を調べ、発症の可能性を探る遺伝子検査を実施したのが約10社あり、件数は合わせて約2万3000件にのぼった。
  内訳は、がんに関連する検査が約1万300件、高血圧やアルコールへの反応など個人差や体質にかかわる検査が約8.800件、遺伝的要因が高い特定の病気に関する検査が約3.700件あったという。
  遺伝子検査は一部の病院などで独自に検査する場合もあるが、同協会は「多くの医療機関が検査会社に委託している」とみている。
  国内では1990年半ばから遺伝子検査の実施が進み始めたが、医療保険が適用されないことなどから「通 常の診断ではなく、大学病院などの研究目的が大半」と分析している。

 一方、医療機関から遺伝子検査を受ける際の倫理面の基準は、各社の判断に任されている。同協会は今後、検査件数の増加が予想されるため、11月に「医療機関からインフォームド・コンセント(説明と同意)の証明書を受け取る」「検査終了後の検体2週間後に廃棄する」などを盛り込んだ倫理指針をつくる。

 国内には同協会の加盟会社のほか、高額で遺伝子検査を実施する医療機関や米国の検査会社に検体を送って遺伝子検査を仲介する業者もいるとされる。
  厚生省は今後、同協会の倫理指針をもとにこれらの医療機関や業者にも適用できる倫理指針づくりを進める。

【コメント】
 遺伝子の情報が解明されることは、人類に素晴らしい未来を約束できるかもしれないことですが、同時に大変な危険性をはらんでいます。
 法の整備もなくやり放題の現在、国の迅速な対応が待ち望まれます。

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