東洋医学専門保健機関『オアシス』会報
オアシスだより 第54号 2014年12月
『オアシスだより』第54号発行にあたって
東洋医学専門保健機関「オアシス」会長
清野鍼灸整骨院 院長 清野充典

オアシスだより第54号表紙

 オアシス会員の皆様、こんにちは。平成26年度2冊目の会報である『オアシスだより』第54号が完成しました。平成26年も早や12月を迎えております。今最も世間の関心を集めているのは、衆議院の解散でしょう。自由民主党の安倍晋三首相が11月20日に内閣を総辞職して、選挙に突入しました。首相は、「アベノミクス解散」と銘打っています。投票日は12月14日(日)です。この会報が皆様のお手元に届いたときは、選挙戦の真っ只中ということになります。消費税を10%に引き上げる時期を1年半延長して平成29年4月から実施するということ以外、国民は良く世の中の状況を理解していないまま審判を迫られているといったところではないでしょうか。いずれにしても、こころ穏やかに暮らしていける日本であってほしいと願うところです。

 11月22日(土)に、『林修の今でしょ講座』【もう一度みたい医療傑作選SP▽東洋医学VS西洋医学SP】が放送されました。取り上げられた3本の傑作中、7月1日に放送された鍼灸治療の映像が採用され、再び清野鍼灸整骨院で鍼灸治療している臨床風景が映し出されました。鍼灸医療が、漢方医療、現代医療と同列で取り上げられたことは、画期的です。番組製作者の東洋医学に対する認識が、変化してきているのでしょう。鍼灸治療が、医療のひとつとして国民が認識していただきたいと、願うのみです。

 医学・医療の世界に目を向けると、国外では、WHOが鍼灸医療や漢方医療等の推進を謳っていることにより、現代医療以外の医療の普及が進んでいます。日本国内では、鍼灸医学・柔道整復医学を研究・教育している大学が、各11大学あります。修士課程の大学院は各5校、博士課程は明治国際医療大学大学院鍼灸学研究科1校です。国内で東洋医学の高等教育化が進んでいますが、医療現場での普及は十分ではありません。来年度より、医療や福祉の制度が一部変更となり、鍼灸治療を病院でも受診することが可能となりそうです。国民が受療する際、医療の選択肢として鍼灸治療を視野に入れてくれることを願ってやまないところです。

 清野鍼灸整骨院のスタッフは、世界で初めて誕生した東洋医学を専門に研究・教育する大学「明治国際医療大学(旧明治鍼灸大学)」の卒業生を中心に構成されています。来院する患者さまに、高い知識と高度な医療を提供する努力を続けております。  
 東洋医学専門保健機関オアシスでは、東洋医学に基づく健康管理情報の提供や健康体操教室での医学に基づいた運動法を指導しています。オアシス会員の皆様には、是非「オアシス」をご活用いただきたく思います。

 東洋医学専門医療機関「清野鍼灸整骨院」では、平成26年2月2日より平成27年2月1日まで、開院28周年記念企画として、以下のことを実施しております。

特定疾患の治療費(5,300円)を下記のように減免
(1) がん疾患  1回 2,000円
(2) 心臓疾患  1回 2,500円
(3) 糖尿病   1回 2,500円
(4) 脳血管疾患 1回 2,500円
 当院は、厚生労働省が示す「4大疾患」患者を、全て支援しています。上記病気でお困りの方は、是非鍼灸医療をご活用いただきたく思います。

平成26年度に会員登録いただいたオアシス会員におかれましては、上記記念企画に加え、さらに、以下の特典を実施させていただいております。

  1. 会員のご家族がオアシスに入会される場合は
    入会金540円・年会費1,300円免除
  2. 体操教室登録者が未成年者(高校生以下)の場合は
    月会費1,000円減額
  3. オアシス会員が清野鍼灸整骨院を受診される場合は
    初診料1,620〜2,700円・再診料870円免除
  4. オアシス会員が清野鍼灸整骨院を定期的にご利用される際は
    月4回 予約料540円免除
 東洋医学専門保健機関オアシスは、会員の健康に関する事業を行っています。当会を、積極的にご利用いただけたら幸甚です。

2014年(平成26年)12月2日(火)現在
東洋医学専門保健機関「オアシス」会員数210名

目 次
 連載 ■鍼灸治療の効果をご存知ですか? 整形外科編22■
 爪周囲炎
 連載 ■鍼灸治療の効果をご存知ですか? 老年医学編 7■
 排尿障害

連載 ■鍼灸治療の効果をご存知ですか? ■
整形外科編22

清野鍼灸整骨院 副院長代行 吉田 卓司(鍼灸学士)

爪周囲炎

1.爪周囲炎とは
爪周囲炎とは、足や手の指先が化膿してしまうことです。爪の周囲が赤く腫れたり、膿(うみ)がたまってしまい、症状が悪化すると、とても強い痛みを伴い、歩けなくなることもあります。手より足の爪に起こることが多いのも特徴です。このほかに指先の腹側が化膿するひょうそ(?疽)という病態があります。

2.症状
初期症状(急性炎症期)としては、歩いたり体重をかけると、爪の周りや親指の先が痛くなり、熱を持つこともあります。症状が進行すると、爪周囲の痛みに加え、赤く腫れて、さらに進行すると膿がたまります。膿がたまる時期が過ぎると肉芽(にくが)ができてしまいます。肉芽とは、ぶよぶよとした出血しやすい箇所です。この時期になると、痛みで眠れないこともあります。

3.原因
爪自体の問題としては、巻き爪や爪を切るときの不注意から起こる深爪やささくれ(さかむけ)なども原因になります。また、指の打撲や骨折で起こる二次的な爪の損傷も原因となります。不潔な環境でこれらの原因が伴うと、爪の周囲が赤く腫れるなどの炎症を起こしてしまいます。爪周囲炎の症状は、爪の両脇や爪の根元に出ます。足にはばい菌が繁殖しています。清潔に保つことを怠ると炎症につながります。

4.現代医学に基づく治療方法
症状が軽い初期の場合は、炎症部分の消毒と消毒液(アクリノール)による湿布で治療します。必要があれば、抗生剤を内服します。膿がたまっている場合は、切開して膿を出します。巻き爪の場合は、爪の生え際から爪が食い込んでいるところを切除します。

5.鍼灸医学に基づく治療方法
鍼灸治療では、灸治療を主に行います。爪の生え際の角、爪の上や手足のツボに灸をすることにより、短期間で治すことが可能です。 鍼灸治療が最も適応するのは、化膿していない軽症のものですが、化膿または切開したものでも回復を早めます。 爪の周囲は、いつも外傷などの危険があり、爪周囲がささくれなどで傷ついた場合、そこから菌が入りやすくなります。痛みを伴った場合は、自己判断せずに初期段階でご相談していただきたいと思います。


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連載 ■鍼灸治療の効果をご存知ですか■
痛老年医学編 7
清野鍼灸整骨院 副主任 志連 英明(鍼灸学士)

排尿障害

 正常な排尿とは、尿を膀胱に十分貯留することができ、貯留した尿を意図的に支障なく排出できるものをいいます。

 排尿機能も多分に漏れず、加齢の影響を受けます。高齢者の排尿機能の特徴を以下に挙げます。

 尿失禁に関して言えば、骨盤底筋の筋力低下も影響します。骨盤底筋には尿道括約筋が含まれます。この筋肉が収縮することで尿を溜め、尿意を我慢することが出来ます。この筋肉の働きが低下すると、しっかりと尿道を閉めておくことが出来ず、尿が漏れやすくなります。

  1. 膀胱が萎縮するため膀胱容量が減少し、
    少量の尿が溜まっただけで尿意が起こり、排尿回数が増加して頻尿となる。
  2. 膀胱の弾力が低下するため、排尿後も残尿が生じ、頻尿となる。
  3. 膀胱の感度が鈍くなるため、成人では膀胱の半量で尿意を感じるが、高齢者は充満するまで尿意を感じないので、尿意が起きると我慢できず、失禁してしまうことがある。

 排尿障害があるときの多くは、身体に冷えがあります。鍼灸治療は身体を温め、膀胱の機能を正常に戻すことに有効です。また尿失禁を防ぐために、ヨーガなどの体操で骨盤底筋を鍛えることも大切です。

尿意ドン!


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