健康研究サークル『オアシス』会報
オアシスだより 第47号 2012年7月
『オアシスだより』第47号発行にあたって
清野鍼灸整骨院 院長 健康研究サークル「オアシス」会長 清野充典

オアシスだより第41号表紙

 2012年(平成24年)度に入り、3ヶ月が過ぎようとしています。今年度のわずかな間に、様々なことが起きました。その中で、一番印象に残る出来事と言ったら、オウム真理教が引き起こした地下鉄サリン事件で指名手配されていた、菊池直子と高橋克也の逮捕でしょう。

 17年前、オウム真理教の麻原彰晃は、メディアの中心人物でした。鍼灸師・薬剤師でありかつヨーガしていたため、この頃、ヨーガは悪いイメージが先行しました。鍼灸師でありヨーガを指導していた私は、随分肩身が狭い思いをしました。オウムは、インドでは「聖音」とされています。神に通じる聖なる音が、この事件によってすっかり悪いイメージになりました。

 近年は、この事件も風化し、ヨーガ療法や鍼灸治療は統合医療の主役に躍り出ようとしています。健康研究サークルオアシス、清野鍼灸整骨院、ちあふる清野では、多くの人にヨーガ療法を提供しています。もう、過去のイメージは払拭されていることと思います。

 清野保健医療福祉株式会社のスタッフは、インド医学・医療であるヨーガ療法、中国医学・医療である鍼灸治療、日本医学・医療である柔道整復治療という東洋医学を提供するため、日夜研究を続けています。最先端の医療を是非ご利用いただきたいと思います。

 清野鍼灸整骨院では、2月2日より、開院満25周年記念企画として、以下のことを実施しております。

1. 紹介カードをお持ちの方は、初診料1,000円減額
2. 体操教室夜間の部1ヶ月間無料券進呈
3. 特定疾患の治療費を減免
 (1) がん疾患 1回2,000円
 (2) 腎疾患  1回2,500円
 (3) 糖尿病  1回2,500円
4. 体操教室府中教室4月より増設 9時〜9時50分の部

平成24年度のオアシス会員におかれましては、左記記念企画に加え、さらに、以下の特典を実施させていただきます。

1.会員のご家族がオアシスに入会される場合は
 入会金500円・年会費1,200円免除

2.体操教室登録者が未成年者(高校生以下)の場合は
 月会費1,000円減額

3.オアシス会員が清野鍼灸整骨院を受診される場合は
 初診料1,580〜2,630円・再診料840円免除

4.オアシス会員が清野鍼灸整骨院を定期的にご利用される際は
 月4回 予約料530円免除

5.ちあふる清野をサロンとしてお使いいただけます。
   利用時間  9:00〜12:30
        13:30〜17:00
     (尚、日曜・祝日はご利用いただけません。)

6.特定疾患の治療費を減免
  脳血管障害 1回2,500円
 オアシス会員、オアシス会員のご家族ご親族、オアシス会員ご紹介の友人に限り、脳血管障害を解消するための治療費を減免させていただきます。

適応条件は、
1) オアシス会員本人であること
2) オアシス会員の紹介カードがあること
3) 鍼灸保険取り扱いをするために必要な同意書をお持ち下さること
です。

健康研究サークル「オアシス」は、発足16年目を迎えました。平成24年度も、皆様の健康増進に寄与する活動を展開する所存です。どうぞよろしくお願い致します。

2012年(平成24年)6月30日(土)現在
健康研究サークル「オアシス」会員数229名

目 次
 連載 ■鍼灸治療の効果をご存知ですか?(内科編9)■
 糖尿病について 2
 連載 ■鍼灸治療の効果をご存知ですか?(整形外科編17)■
 ガングリオン

連載 ■鍼灸治療の効果をご存知ですか?(内科編9)■
糖尿病について 2
清野鍼灸整骨院府中センター 院長 村田 朝子(鍼灸学士)

・ はじめに
 鍼灸治療は、日本でも1500年続いている歴史ある治療法です。今までに、鍼灸師の先生方が書き著した書物を見ると、痛みやしびれなどの治療から、内臓の不調である内科的な疾患の治療まで、広範囲な病気に対して治療を行っていたことが分かります。今日では、東西両医療の利点を生かした統合医療の考えが広まり、病院に併設された東洋医学研究所などが徐々に増えています。近年の研究や医療の現場を背景とした鍼灸治療の効果について、お話しさせていただきます。今回は、日本国民の死亡率第4位である糖尿病についての2回目として、肥満糖尿病についてお話しします。

・ 母校(明治国際医療大学)での取り組み
 明治国際医療大学では、内科専門の医師と内科系担当の教員が一緒に治療にあたる形をとっています。薬物療法だけでなく、患者さんにとって薬の副作用の軽減や身体的に苦痛な部分を取り除き生活の質を高めることを目的に、鍼灸治療を行っています。マウスをつかった実験では、血糖値を下げるインスリンホルモンの動態や血糖値の変化において良い結果が得られたことから、患者さんに耳鍼を行いました。その結果、ホルモン分泌や血糖値が安定してきたことを確認できました。
 ご存じの方は多いと思いますが、肥満の状態は、糖尿病のリスクを高めます。このため、肥満である誰もが受け入れてもらえそうな治療法である耳針の研究もされています。
 肥満症の段階でも、糖尿病と診断を受ける前に鍼灸治療を取りいれることができれば、予防できる可能性が高まります。

・ 血糖のコントロールについて
 我が国では、糖尿病患者さんの大半は、2型糖尿病です。その発生は、遺伝的なもののほかに生活習慣が深くかかわっています。近年、2型糖尿病の急増が、世界的規模で問題になっています。
 1型糖尿病は、ホルモンを出す細胞自体が機能しないものです。2型糖尿病は、ホルモンは出ているのに、うまく体が反応しなくなるタイプです。肥満の場合は、脂肪細胞から分泌される成分が、血糖値を下げるインスリンの効きを悪くしてしまうことが、糖尿病のリスクを高めている原因です。

・ 治療について
 食事療法・運動療法の有効性は、実証されています。
これに加えて、鍼灸治療を運動前に行うことで、筋肉が糖を取り込む作用が高まり、血糖値を下げる効果が上がること分かっています。現代の社会環境では、食事療法や鍼灸運動療法を行うのが非常に難しいことも事実です。治療との併用で、予防や治療へ良い効果が期待できます。糖尿病でお悩みの方は、ご相談ください。お力になれるように、努力いたします。


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連載 ■鍼灸治療の効果をご存知ですか?(整形外科編17)■
ガングリオン
清野鍼灸整骨院 主任 吉田 卓司(鍼灸学士)

1.ガングリオンとは
 強く打ったとか捻挫をした覚えがないのに、関節の周辺にあずき大からピンポン玉の大きさまでのコブができることがあります。これはガングリオンと呼ばれ、関節包(関節を包むふくろ)や腱鞘(腱を包む鞘)の変性により生じると考えられています。このガングリオンという言葉には「塊」という意味があり、瘤の内部にはゼリー状の粘液が充満しています。また、男性よりも女性に多く、女性の発症率は男性の約3倍です。

2.症状
 関節の周辺や腱鞘のある場所に、円形もしくは楕円形の袋状の腫瘤ができます。軟らかいものから硬いものまであります。通常は無症状なことが多いのですが、時々、神経のそばにできると神経を圧迫して、しびれ、痛みや運動麻痺などを起こします。手を使いすぎると腫瘤は大きくなることがあります。

3.好発部位と原因
 手首、手背、膝窩(膝のうら)などに出ることが多く、靭帯、腱鞘、神経内や半月板のほか骨内にも発生します。関節包、靭帯周辺の滑膜細胞、線維芽細胞などが繰り返し刺激を受けた結果、粘液を産生し小嚢胞(袋)を形成、さらにそれらが集合してできると考えられています。したがって、この袋状のガングリオンは関節や腱鞘につながっており、関節や腱鞘から送り込まれた関節液や滑液が、濃縮されてゼリー状となって腫瘤の袋の中に詰まっていると考えられています。

4.西洋医学に基づく治療方法
 患部に注射を刺してゼリー状の液体を抜き取る治療が、一般的です。しかし、この方法だと、再び液体が溜まって再発する可能性があります。何度も再発する時は、手術によってガングリオンを除去することもあります。この場合でも、完全に再発を防げるわけではありません。

5.鍼灸医学に基づく治療方法
 東洋医学的に診ると、冷えや内臓機能低下により身体のバランスが崩れたため、関節周辺に余分なものが停滞してしまい、ガングリオンが発症していると考えます。治療方法は、組織の代謝促進を目的に、患部局所への温灸や患部周囲への刺鍼を行います。場合によっては、患部以外に鍼灸治療を行うことで、ガングリオンが治癒することもあります。ガングリオンでお悩みの方は是非ご相談下さい。早期治療をおすすめ致します。



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