日本の鍼灸治療道具紹介
第8回世界鍼灸学会連合会学術総会 オーストラリア・シドニー大会(本文)

日本・東京 清野鍼灸整骨院 村田朝子・南波利宗・山田昌紀・清野充典


【はじめに】

 日本では、410年頃より1600年以上にわたり鍼灸治療が行われている。
日本で行われている鍼灸治療は、中国で行われている治療法と大きく異なっている。日本で用いている鍼灸治療の道具を紹介する


【本論】
日本で鍼治療をするときに用いている針は、「細い」ことが特徴である。
また、「鍼管」という道具を考案し、刺入時(切皮時・穿皮時・弾入時)の痛みを軽減していることが特長である。
子どもや体力が衰弱した者用に開発された治療道具も、治療法の発展に繋がっている。
灸治療をするときに用いる艾の製法は、日本独自の技術である。
不純物を、限界とも言えるまで取り除いた艾は、施灸時に温度調節が容易でかつ不純物の混入密度が高い艾よりも温度が低いため、
幅広い病気に対応可能な技術の開発に繋がっている。


【考察】
 日本の鍼灸治療技術は、医家と呼ばれる代々鍼灸医療を提供してきた家系に引き継がれてきた。
様々な治療道具とともに、日本の鍼灸技術は継承されてきた医術であると考える。


【結語】
現在、日本で用いられている鍼灸治療道具は、日本で行われている高い治療技術を支えている。
様々な治療技術は、道具の開発によりもたらされているという視点を持ち備えるべきであると思われる。
物作り大国と言われる日本の科学技術は、鍼灸治療の現場を大きく後押ししていると考える。


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